フルリモートでプロジェクトリーダー、さらには他の仕事まで!今村さんの仕事への向き合い方

imamura

働き方が多様化しているとはよく聞くけれども、実際どんな働き方の人がいるんだろう?
自分にあった働き方ってあるんだろうか?
そんなことを考えたことがある人もいるのではないでしょうか。
大学生ライターにとっては、よりイメージがつかず、頭を悩ませる問題です。

今回お話を伺ったのは、様々な業界・企業でマーケターとして働いてきた経験をもち、現在はITベンチャー企業で業務委託という形でマネージャーとして働きつつも、複数の仕事にコミットしている今村さん。
そんな今村さんが幅広い経験を積んで選んだのは、一つの仕事に集中すべきという常識にとらわれない働き方でした。
どんな思いをもって、現在の働き方に至ったのでしょうか。

原動力は好奇心

imamura-thai-youth

ーまずは学生時代と新卒の就職のことをお聞きしたいです。

今村公哉さん:多くの学生がそうだとは思うのですが、僕も学生時代にどうなりたいかを決めてたわけではありませんでした。でもぼんやりと、お金やシステムの知識と英語力があれば、これから生きていけるだろうと考えて、その知識を身につけられる仕事につきたいとは思っていましたね。

大学は工学部でしたが、新卒ではIT系のメガベンチャーにシステムエンジニアとして就職しました。大学の頃に趣味で海外に行ったり、短期留学でニュージーランドに行く機会があって、日本の価値観が全てではなく、大学の勉強だけが仕事に繋がるわけではないと感じていました。
そこで、それまで学んだこととは全く関係のないIT業界に飛び込んでみたんです。海外に行って、場所や時間に囚われないコミュニケーションが実現してきていることを実感し、その仕組み自体を知っておきたいと思ったときに、その基盤となるIT業界に入ってみるのが一番いいだろうと思っての決断でした。

 

ー大学の専攻に囚われずに仕事を選んだのですね、その後の転職はどうしてですか?

今村公哉さん:簡潔にいうと、お金のことを深く知りたくて、外資系の金融会社に転職しました。

お金は何をするにも必要なものですし、信頼できる実績がない自分が何かを始めるとなったときにも、お金は一つの指標になりますよね。自分で本を読んで勉強もしましたが、一度業界に入ってお金の動きを肌で感じ、みてみたいと思い、転職を決めました。

加えて、転職時には英語が使えるようになっていたので、一度英語を使う環境で自分を試したいという思いもありました。

 

ー仕事選びの軸はいつも、知的好奇心なんですね。

今村公哉さん:場当たり的とも言えるかもしれませんが、リジョブに入ったのも、好奇心からです。

それまで全く違う業界でマーケティングなどをしていて、看板広告やWEB広告を目にしたり、分析したりする機会が多くあったのですが、求人業界の広告料の比重が非常に大きいことに関心を持っていました。これだけの広告出稿があるという事は、裏を返せば深い社会のニーズとして「求人」があるのだろう、自分の知らない世界を知りたいと思ったのです。

その頃ちょうど知人から、美容・ヘルスケア・求人業界のトップクラス求人メディアを運営するリジョブを紹介され、業界への関心が深まりました。そして事業責任者や代表との面談を通して、ビジネスモデルの優位性と「関わる業界の社会課題を解決し、心の豊かな社会をつくっていきたい」という志をもつこの会社にぜひ飛び込んでみようと決意し、転職することにしました。

 

ーなぜ好奇心を基準にキャリア選択をできるのでしょう。

今村公哉さん:「好奇心を持ち、準備しておくことでチャンスが生まれる。」と考えていて、日頃から準備と発信をできていたからかな、と思っています。

声がかかっても準備できてないとチャレンジできないし、そもそも声がかからなければ、チャンスが訪れない。むしろ、好奇心だけでは仕事には結び付かなかったかもしれません。

imamura-thai-youth2

ー今村さんが、多様な業界を経験して広い視野を得る、という働き方を選んだのはどうしてでしょうか。

今村公哉さん:色々な視点を持っているマーケターになりたいと思ったんです。デジタルもリアルも分かるマーケターがかっこいいなと理想像をつくって憧れていたんですよ。

たとえばデジタルな業界にいたときには、リアルでどう見えているか、金融業界で大きな規模でのマーケティングを行っていた時は、身近な小さい規模ではどうかと、相反する両面を常に考えていました。

自分にとっては社会や企業のためになっていると思い提案したことであっても、他の人にはその価値が理解されないといったことを経験する中で、もし相手にとって身近なことで具体例を示せたら解決できるのではないかと思ったんです。そのためにまず、自分自身が多角的な視点を持ちたいと考えるようになりました。

 

ー東京から福岡にUターンなさったのはどうしてですか?

今村公哉さん:まず、福岡が好きなことが大きな理由で、福岡って住みやすいし、働きやすいんです。空港も近いし、街がすごくコンパクトかつ、機能的にまとまっていて実用的な街だなと感じてます。

また、今までに東京や福岡、熊本で仕事をしてきて、情報格差が少なくなってきているとはいえ、まだまだ東京と地方の差を感じています。地方都市の成長が、そのまま日本の成長につながると思っているので、自分が東京で学んだことや経験を福岡などの地方で活かして少しでも地域発展の力になれればと思っています

それと、東京はやっぱり規模が大きすぎて見えなくなることもあって。まずは、家族や自分の手の届く範囲を良くしたいという思いもあり、コンパクトシティである福岡が自分の仕事や生活に適していると考えました。

 

ーUターンで新たに見えてきたことはありますか?

今村公哉さん:また、地方だからこそチャレンジがしやすいと思います。東京にいると、まず仕事の規模感が求められて、たとえ事業を興すとしても大きなマーケットを相手にすることが多いです。
しかし地方であれば、その地域だけでできることに対するハードルが低く、チャレンジがしやすい環境だといえると思いますね。

 

広さと掛け算、を強みに

office-table

ー現在、リジョブでは「業務委託」の形で働いていて、社外でも仕事をしているそうですね。社外ではどんな仕事をしてらっしゃるんでしょう。

今村公哉さん:まず仕事として取り組んでいるのは、小売店のEC化のサポートです。例えば、親戚が売っているハチミツ店や、友人が営む服のセレクトショップのネット販売化を手伝っています。あと、各地方都市の企業が広告を打つまでのサポートをしたり、その運用を手伝ったりもしています。

さらに趣味の延長で投資システムづくりもしています。金融業界にいた経験があるので、その頃に投資もするようになり、仕事をしながらできる投資を仕組み化するために取り組んでいます。

 

ーどうして、そういったお仕事をリジョブの外でやることになったのでしょうか。

今村公哉さん:もともとリジョブに入る前から、地方企業のマーケティングフォローをしており、この仕事はその延長として続けてきました。

マーケターとして、リジョブで見える世界だけが全てではないと考えていて、他の視点を全部捨ててリジョブにコミットするよりも、様々な視点で捉えられる方が、 最終的にリジョブのためにも、自分のためにもなると思っています。その意味では、視点を複数持ち続けるための選択の結果でもありますね。

自分の性格として、1つのことを突き詰めてやるよりも、色々なことにチャレンジしながら広くやれる方が性に合うと思っているので、この働き方を選ぶことは変わったチャレンジでもなく、自然な流れでした。それぞれの分野、視点を掛け合わせていくことが、結果として自分の強みにもつながっています。

 

ーいくつものお仕事を並行して行う秘訣はどこにあるのでしょうか。

今村公哉さん:自分の時間の使い方を決めているので、周囲からは並行して仕事を推進するのがうまいように見えるのかもしれません。効率よくやるのが得意だよね、と言われることもあります。でも、それがデメリットになることもあって、自分自身のことを器用貧乏だとは思いますね。これまでの仕事の中で、一つの分野で抜きん出た人には勝てないと、日々感じていました。

でもだからこそ、何か1つの分野で戦うよりも、さまざまなことをまず広く知り、それぞれを深めていきながら、その知識を掛け合わせることができたら、それが新しい価値となり自分の強みにもなるかもしれない、と考えるようになりました。

 

妥協なきチームづくり

imamura-with-coworker

ー今村さんはフルリモートでお仕事をしていますが、他の社員さんは東京で勤務されているんですよね。プロジェクトリーダーがフルリモートというのは難しい点も多々あったと思うのですが、どのようにしていったのでしょうか。

今村公哉さん:そうですね、フルリモートという働き方で遠隔でチームづくりをしていく、という試みに挑戦させていただき、会社の文化やチームメンバーには感謝しかありません。

チームづくりについてはもちろん、リモートだからこそ、より対話が必要になるので、今まで以上に意識的にやりました。ただ、いきなりフルリモートにするのは難しいと思っていたので、その前には東京で一定期間一緒に働いて相互理解を深めていくなど、環境づくりはもちろん行っています。今も、月に1度は東京に行っており、チームミッションや戦略の共有を通して、信頼し相談し合える関係性づくりを大切にしています。そういった準備をチーム皆でやってきたこと、何か疑問や不安が浮かんだらすぐに相談し合える環境をつくってきたからこそ、リモートでのチーム推進ができているのだと思います。

もちろんチーム形成や成果に支障がないことは大前提ですが、コロナ禍で社会的にリモートで仕事をすることが当たり前になってきたという情勢も、リモートでのチームづくりを後押ししてくれたと感じています。

 

ーチームづくりにおいて、心がけていることはありますか?

今村公哉さん:チームを推進する自分自身が成果を出さないと、いくらコミュニケーションをとっても信用に欠けてしまうと思うので、成果をつくるために実際はとても泥臭くやってきたと思います。自分がリジョブの仕事だけではなく、いくつもの仕事を並行するからには、ひとつひとつの仕事で期待値を超える成果を出し続ける必要があると考えているので、夜遅くまで働いている時期もありました。チームの信頼関係構築のためにも、まずは自分が成果を上げることを大事にしていましたね。今はそれをベースに、対話を大切にしたチームづくりを心がけています。

以前は組織づくりについてそこまで真剣に向き合ったことがなく、自分がやれば周りもついてきてくれると思っていたのですが、リジョブに入ってからコミュニケーションやチームづくりの重要性に気づかされました。とはいえ、はじめは全員最適と全体最適がわかっていなくて、それぞれの意思を尊重して安直に全てを活かそうとしたことがあるんです。でもそれは全体のことを考えると、チームがうまく成り立たなくなってしまう方法でした。そこで改めて、チーム全体で考え、向き合い話し合って、それから対話をより重視するようになりましたね。

あとは、メンバーに対して常に窓を開けた状態でいるようにも心がけています。というのも、僕が最初に入った会社では、上司に質問をしづらい雰囲気があったんです。だからこそ、自分は話しかけやすい状態でありたいと思っていて、それはリモートでコミュニケーションを取るうえでも特に気を付けているところです。

 

ーその思いはチームのメンバーに届いているのでしょうね。

今村公哉さん:どうでしょうか、人によって受け取られ方が違う気がしますね(笑)
人によっては厳しく映ることもあったと思います。チームとして成果を上げていくためには、結構ビシっと言うこともありますしね。

チームをつくっていったり、成長させることを考えると、チームメンバーとの向き合い方は妥協できない部分だと思っています。言うべきことを言うことで、一時的にチームが悪くなることがあるとしても、長期視点でみて成長していくチームにしていきたいと考えているので、そこは妥協していません。それが結果的に、チームの信頼にもつながってくれば、と思います。

 

地域とともに成長したい

imamura-fukuoka-sea

ー地方で事業を展開していくためには、ある程度アナログな、人と人の繋がりが必要な部分もあると思います。今村さんは、どのように地方都市を開拓しているのでしょうか。

今村公哉さん:やはり、地方に入っていくことはなかなか難しいと感じています。電話やネットだけのやり取りをして、すぐに関係を築けるかというと、そうではないですよね。ビジネスとして何を大切にするかとか、何を達成したいか、その中で自分が何をできるか、といったところは、やっぱり対面で話す方が100倍うまく伝わると思いますし、実際に話す機会がないとなかなか伝わらないと思います。

だからこそ、リジョブの社員とは東京で一緒に働く期間を設けていますし、地方の企業さんに対しても、単にサポートするだけでなく、自分も現場に行って一緒に仕事をする機会を設けたりしながら、少しずつ企業に入っていくやり方をしています。

 

ーなるほど。そういったやり方が現状で見えている開拓手段の最適な突破口ということでしょうか?

今村公哉さん:僕もまだ模索しているところではありますが、やはりキーマンのような人に出会って、その人と関わり合うことは大事だと思います。

地方に来てからよく感じることの一つが、温度差です。東京では、一緒に仕事をしている人たちとは価値観や背景知識が共有されているので、話がスムーズに進みます。でも地方だと、仕事も生活環境も違って、前提が違う人たちに出会うことも多いんですよね。こちらの話の意図がなかなか理解されないこともありますし、逆に僕が理解できないケースももちろんあります。それに対してこちらのやりたいことを一方的に押し付けていては、溝が深まってしまいます。

でも、中には僕が関わっている事業や業務に興味を持ってくれる方もいるので、その人たちと出会えるように、コミュニティを開拓したり、コミュニティをつくるキーマンとなる人に出会って、そこから広げていくというのは、1つのいいやり方ではないでしょうか。

 

Work hard! Play more hard!!

imamura-with-son

ーとても楽しそうにお仕事の話をされているのが印象的です。

今村公哉さん:昨年子どもが生まれたのですが、やっぱり自分たち親が楽しく働いていることが、子どもの豊かな成長に繋がると思っているんです。
教育方針というほどのものはありませんが、親は機会を作ることしかできないと思うので、いろんな世界を知る機会をつくってあげたいと考えています。そのためには、親が人生を楽しんでいて、色々なところに行ったことがあって、さまざまな知識を持っている、それが子どもへの機会の創出に繋がると思っています。

「Work hard! Play more hard!!」仕事も遊びも楽しみぬく意識になってから考え方が変わってきたのかもしれません。

 

ーご自身の将来について、なにか描いているビジョンはありますか?

今村公哉さん:せっかく地方にいるので、 地方の発展に関わっていけたらと思っています。地域の事業を大きくしたいですし、もっと地域の人に関われるようになりたいと思っているので、その機会をつくっていくためにも、今の自分の仕事でしっかり成果を上げていきたいですね。地方にいるからこそできることを増やしていきたいです。

加えて、東京にいたときに各領域のプロフェッショナルの知り合いができました。そういう人たちと度々勉強会をさせてもらう機会があるのですが、アンテナも敏感で、日頃から得ているものが素晴らしい。その繋がりを地方にも繋ぎたいと思っています。リジョブも地方創生をビジョンのひとつに掲げているので、会社のためにもなりますしね。

 

ー最後に、今村さんにとって「働く」とはどういうことか、教えてください。

今村公哉さん:ひと言でいうと「人生を賭けた実験」なのかな、と思います。

その仕事を楽しくやれるかどうかはコミットするテーマ次第であり、それを上手く進めていけるかどうかは準備次第、だと感じています。僕の場合は特に、自分で選んだ働き方をさせてもらっているので、全てが最終的に自分に跳ね返ってくるような実感が強くあります。自分が頑張っていることが明日に繋がっていくし、逆に頑張らないと、仕事がなくなることもありうるので、そこは肝に命じていますね。

最終的には、壮大な実験を通して「自分自身が世の中に何をどう還元していけるのか」が問われているのだな、と思います。

 

***

福岡在住でフルリモートという働き方で、リジョブの仕事をメインに据えながらも、並行してほかの仕事も推進する今村さん。
ひとつに絞らずに全てを両立させていく今村さんの働き方は、やりたいことをひとつに決めきれない私にとって、とても勉強になるものでした。

あえて1つの分野に特化せず、さまざまなことを広く知り、それぞれを深めていきながらその知識を掛け合わせることを、自分の強みにしていく。その強みのあり方は、好奇心と地道な努力、明確な「なりたいマーケター像」に支えられていて、今村さんの働き方を実現する秘訣を少し知れたように思います。

みなさんも、自分の強みを活かす働き方について、少し考えるきっかけになったのではないでしょうか。

shabellbaseでは今後も多種多様なキャリアを築く方々を紹介しています。
あなたの夢探しやライフプランに役立つヒントを見つけてみてください。

 

今村 公哉さん
いまむら きみや|フリーランス


1987年生まれ。福岡出身。
IT系メガベンチャー・金融業界・スタートアップと、様々な業界・企業フェーズのマーケターを経て2017年より業務委託のマーケターとして株式会社リジョブにjoin。「Work hard! Play more hard!!」をモットーに仕事に遊びに爆進中。
趣味はゴルフでベストスコア75、ゴルフタレントなみきさんとラウンドするのが最近の目標。