企業理念の浸透は業績に関わる?社内で浸透させるためにやるべきこととは?

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突然ですが、しゃべりんは所属する会社の企業理念をもちろん言えるよね?

シャベリン
ぎくっ!!えっと…あれ?なんだっけ??

 

返答に詰まってしまいましたね。企業理念とは、企業で働く社員やスタッフが共有する考え方や、行動指針などを表している基本的な考え方のことであり、採用面接前に一度は会社の企業理念を確認している人が多いはずです。

シャベリン
そういえば僕は妖精だから、所属する会社なんてなかったんだ!うん!そうだった!

 

しかし、ふと企業理念を尋ねられたら、いったいどのくらいの方がきちんと正しく答えられるのでしょうか?これは記事の中で詳しく触れていきますが、実際に自分の会社の企業理念きちんと答えられる人は少ないようです。

企業理念が社員1人ひとりに浸透していなければ、それはただの飾りものに過ぎません。企業が長期的に収益を上げて、時代に必要とされる企業でり続けるためには、企業理念の浸透が欠かせません。

この記事では、企業理念を浸透させる必要性や、企業理念を実際に浸透させるやり方について解説していきます。

では、早速みていきましょう。

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企業理念とは?

そもそも「企業理念」とは先ほども少し述べましたが、会社の基盤となる考え方や価値観のことを意味します。「何のためにその企業が存在しているのか」「企業として成し遂げるべき目的は何なのか」「企業活動を行う将来像」など、企業としての目的や考え方、存在する意味や企業としての在り方、さらには社員の行動規範となる言葉などが明記されています。

社内に対しては、企業や社員、スタッフの意思決定の軸になるものです。
また、社外に対しては、企業のブランドイメージのアピールにも繋がります。

社外に対して自社の企業理念を認知させることで、「企業理念が近い会社と取引したい」「この企業理念は共感できる」といった、共感で仕事につながるケースもあります。

企業理念を浸透させる重要性

HR総合調査研究所が行った「企業理念浸透に関するアンケート調査」で行った、「理念は浸透しているか」という質問に対して、企業理念が浸透していると認識している企業は6%ほどでした。「やや浸透している」という回答を合わせても、36%となり4割を超えてこないという結果になりました。

つまり、浸透していないと考えている企業は半数を超えており、浸透への本気度は企業によって大きく差があることがわかります。

また、リスキーブランドが行った「企業理念」に関する調査の中で、企業理念の浸透度合いと、収益性の関連性を調べたところ、企業理念が浸透していない会社の約4分の1は赤字であることが明らかになりました。

シャベリン
こんな企業理念は嫌だ。
“毎日が月曜日”

 

日本の多くの企業では、「企業理念」を会社全体の価値観としてかかげていますが、会社の考え方や価値観が浸透してなければ、企業としての一体感は、企業理念が浸透してる企業と比べるとどうしても劣ってしまいます。

企業理念が浸透している企業は、企業としての一体感が生まれていたり、会社が不調な状態になっても立ち向かえる強い組織へと成長します。思うように収益が上がらない、新しく採用しても離職率が高く、従業員が定着しないといった課題は、企業理念を浸透させることによって解決できたりすることがあります。

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企業理念が浸透しない原因とは

企業理念が浸透しない原因とは、なんなのでしょうか。
企業理念が会社に浸透していない原因を解説します。

《企業理念が浸透しない原因》

企業理念が時代の変化に対応していない
企業理念を作成して満足している
企業理念の目的や意味を従業員が理解していない

企業理念の内容が漠然としていてわかりづらい

企業理念が時代の変化に対応していない

企業の歴史が長い場合は、企業が誕生した時に定められた企業理念を長年使っているケースがあります。

多様性やグローバル化によって、人との関わり方が変わったり、IT化やインターネットなどの技術が発達した結果、仕事のやり方も時代によって大きく変わってきました。
そのため、過去の企業理念の考え方と、現実での考え方のギャップによって、従業員の人たちに企業理念が浸透しないことが考えられます。

例えば、精神に訴えかけるような企業理念だと、仕事のあり方や働き方改革によって変わっている現場を考えれば、今の時代には合わないかもしれません。

今の時代にあった、企業理念に作り直すことが従業員に浸透させるためには大切かもしれません。

企業理念を作成して満足している

企業理念を作成して満足してしまっているケースも多く見られます。

企業理念があることに満足してしまっているので、従業員に対して理念を浸透させる努力を行わないので、いつまで経っても従業員に企業理念を理解されない状態になってしまいます。

社内での浸透をまずは優先しなければ、企業理念としての存在は不完全な状態だといえるでしょう。

シャベリン
買って満足しちゃう積読状態みたいな感じだね。

 

企業理念の目的や意味を従業員が理解していない

企業理念の存在を従業員が認知していても、その目的や意味までも従業員が理解していないというのも企業理念が社内で浸透していかない理由の一つです。

企業理念がなんのために作られて、何を目指すための指針となっているのかがしっかりと伝わっていなかったり、経営陣の企業理念の理解と、従業員の企業理念の理解にギャップがある場合も浸透しない理由に当たります。

企業理念ができた当時の創業時の想いや誕生の歴史など、どのような背景で企業理念が作られたのかを今一度見直して、理解を深める必要があります。
また、抽象的な言葉を使うのではなく、できるだけわかりやすい表現で明文化することが社員全体の理解にもつながります。

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企業理念を浸透させる上で必要なこと

では、企業理念を従業員に浸透させる上で必要なことは何でしょうか。

《企業理念を浸透させる上で必要なこと》

企業理念が出来た歴史を伝える
経営陣や管理職から従業員に対して説明する機会を設ける
社員が企業理念を意識する時間を作る
企業理念に沿った体制や制度を実践する
研修などの早期の段階で学ぶ機会を設ける

企業理念が出来た歴史を伝える

まずは、企業理念が誕生した歴史を伝えましょう。具体的には企業がどのように生まれて、どのような歴史を歩んできたのかです。そして、その中で「企業理念」がどのような背景の元に生まれたのか、「企業理念」にどんな願いや想いが込められているのかを、さまざまな機会の中で従業員に伝えて、企業理念に共感してくれる輪を広げていきましょう。

シャベリン
こんな企業理念は嫌だ。
“積極的な賞罰の実行”

 

経営陣や管理職から従業員に対して説明する機会を設ける

経営陣や管理職の言葉や行動は、つねに他の社員たちの模範やお手本となるよう意識しなければなりません。いかに素晴らしい企業理念があったとしても、お手本となるべき立場の人間が企業理念に反した行動をしていては、社員への企業理念の浸透はありません。
まずは、上の立場の人間が積極的に企業理念を体現していかなければなりません。

また、企業理念について、従業員に対して説明する機会を定期的に設けるというのも効果的です。
朝礼や社員総会など、従業員が集まる場所で、企業理念の理解について共有しましょう。新入社員には、研修などのタイミングで企業の生い立ちや歴史と合わせて企業理念について説明するのも、理念の早期浸透や理解を深める意味では効果的です。

社員が企業理念を意識する時間を作る

素晴らしい企業理念があったとしても、従業員に企業理念が浸透していなければ、それは存在しないものと同じです。なので、まずは従業員が企業理念について考える時間や触れる時間を作る必要があります。

例えば、企業理念などが書かれたパンフレットなどを研修の時に配布したり、企業理念が書かれたものを社内においたりするなどです。従業員にとっても、企業理念がより身近に感じられるものにする必要があります。

シャベリン
こんな企業理念は嫌だ。
“笑顔無きものに賃金発生せず”

 

企業理念にあった体制や人事制度を実践する

企業理念を浸透させるために必要なことは、「企業理念」にあった体制や制度を作ることです。

企業理念をきちんと理解して行動している人間を表彰したり、評価の項目に「企業理念」を理解した仕事をできているという項目を入れたりするなど、そうした取り組みを行うことで、従業員に企業理念を理解して行動する人が増えていきます。

研修などの早期の段階で学ぶ機会を設ける

働き方が昔と比べて大きく変わっている現代では、定年まで一つの企業で働くという考え方が少なくなり、転職が当たり前になりました。

その結果、新入社員だけではなく、中途採用で新しい人材が入社することもあります。なので、企業理念を浸透させるために早期のアクションが重要になります。

まずは、早期の研修の段階で経営理念に触れる機会を作りましょう。新入社員に対しては、企業の考え方や価値観を早い段階で知ることもできるメリットもあり、社内での働き方やどのような行動を求められるのかを知ることができます。結果的にそれが、仕事に対するモチベーションにもつながり、企業への定着率を高めることにもつながります。

シャベリン
こんな企業理念は嫌だ。
“お客様第1位、社員第99位”

 

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まとめ

実際は、ほとんどの企業が企業理念の重要性には理解しているものの、企業理念の浸透には苦戦を強いられています。

理念浸透がうまくいってない理由はさまざまですが、どんな企業にも当てはまる解決策はありません。
しかし、企業理念を浸透させることに良って企業としての強みを伸ばし、成長し続けるために欠かせない考え方です。

改めて述べると、社員が企業の理念に共感し、実践できている状態のことです。理念浸透を達成するためには、長期的な視点で取り組むことが大切です。