地方学生の悩み!!情報格差のヘレン流”解決法”【ヘレンの部屋Vol.8】

地方学生の悩み!就活情報格差のヘレン流解決法

社会人は年末に向けて師走の忙しさの中かと思いますが、大学3年生も就活本格化の渦中、「なにかやらなくては!!」と心ばかりが焦っている人も多いのではないかと思います。

関東や関西など大学が集中している地域では、就活の第1波は夏のインターンシップ時期にありますが、それ以外の地方の大学はまさにこの冬の時期から就活を始めるという人も数多く見受けられます。

今回は、そんな地方就活生が直面している情報格差とその解決策についてヘレンなりの見解をお伝えしていきたいと思います。

就活における地方の情報格差って?

格差

そもそもどうして地方において情報格差が生じてしまうのでしょうか?

その理由は、大きく分けると3つあります。

 

情報格差の理由1.企業数の違い

当然のことではありますが、地域人口が少なくなればその分経済圏も縮小するので、企業数および求人数が少なくなります。

それに加えて、新卒採用を行っている企業となると、なおさらです。

これは、地方に限らずですが、新卒は可能性採用や育てる採用と言われているように、成果が挙げられるようになるまでには時間がかかります。そのため、育成担当が必要になるかつ、育成期間中の人件費などを既存の従業員で分配・負担することになるので、会社に負荷がかかる採用でもあるのです。
新卒採用を行うためには、金銭的も人員的にも余裕があることが前提となり、そのような条件の企業の絶対数が地方には少なく、就活機会の格差が生じてしまいます。

 

情報格差の理由2.大学の数と密度

関東や関西の大学生には、学外の学生と関わることができるコミュニティというものが存在しています。
例えば、インカレサークルや長期インターン、アルバイトなどです。

大学の数が地域単位でも多く密度が濃ければ、それだけ他大学の学生と交わる機会も多く、触れる人の層も厚くなり幅も広がります。

一方で地方では、大学を越えた交流機会があまり見受けられず、就活に関する情報量に格差が生まれてしまうのです。

 

情報格差の理由3.リアルな情報との接点

この大学を卒業したら、大体このあたりの企業に就職する。親や先輩の繋がりで、この企業が良いのではと薦められた。
このように、地方学生の置かれた環境では、新たな選択を行う人の情報が少ないため、過去の慣例や身近な先からしか情報を得ることができないと、ネットの情報に頼ることになります。

しかしながら、ネット上には一般論や一方的な立場からの意見が多く、自分にとって今必要なリアルな情報は手に入りにくいものです。
なおかつ、文字情報が中心なので、その言葉の真意や背景まで理解することはできず、結局情報の質における情報格差は存在したままなのです。


地方の情報格差によって起こる問題とは

格差にモヤモヤしている

このようにして発生した情報格差は、具体的に就活のどのような場面で問題となるのでしょうか?

本質的には、自分が働く心構えができてから、就活という手段を検討し選択をするという流れであるべきだと思います。
しかしながら、近年目まぐるしい速度で就活の早期化が進んでおり、情報解禁である3月を目掛けて就活を行っても時既に遅し、ということも多く、3年生になって押し流されるように就活し始めるというのが実態です。

 

加えて地方に限らず就活の最も重要かつ難しい点は、選ぶことではなく、選ばれることです。

自分がどれだけ時間をかけて、志望業界を絞り込んだとしても、その時点で選ばれる基準を超えていなければ成果を得ることはできません。

情報格差は情報収集量や質だけでなく、就活における経験や成長の質や量、スピードにも影響を及ぼしてしまうのです。
就活は働き続けるという未知の世界への一歩目を自力で踏み出す、という大きな決断を非常に短期間で行う人生においても起点となる機会です。

つまり、この期間の中でどれだけたくさんの異なる価値観に出会い、刺激を受け、視野を広げ視座を高めるかによって、社会人生活の礎が築かれるのです。

自分の身近にある基準を当たり前とするのか、多種多様な相手や環境に合わせて常識や平均を更新し続けているのかでは、見えている未来の選択肢が大きく異なるはずです。

 

もちろん、就活に限らず、転職やライフイベントに合わせて、キャリアの選び方や築き方は変えていくこともできますし、変わっていくものだと思います。

しかしながら、一歩目の踏み出し方によって社会人なりたて数年間の成長の角度や得られる経験、スキルの種類へ少なからず影響を受けるものです。

 

地方の情報格差をどう解決すべきか

ここまで読んで、地方学生が就活をすることの難しさばかりが印象に残ってしまったかもしれません。

あるいは、地方就活生が不利じゃないかと感じさせてしまったかもしれません。

加えて、関東や関西で就職する方が良いということでもありません。

ここからはヘレン流の解決法として、地方における情報格差を埋めるのではなく、超える方法について紹介していきたいと思います。

 

どう格差を超えるか

情報格差を超える方法その1:就活生との交流ができるオンラインイベントやセミナーを選ぶ

先述したとおり、就活は選ぶ力を上げるよりも実は選ばれる力を上げていくことの方が、多くの選択肢を手に入れることに繋がります。

そのためには、自分の意見を発信する経験と、他の就活生と意見を交わす経験を多く積んでおく必要があります。
オンラインでもリアルでも良いので、自己PRやグループティスカッションがコンテンツ内に含まれているイベントなどで、他の就活生のリアルな発言を吸収し、自分のアウトプットにどのような反応があるのか測ることによって、地方では経験できない成長を得ることが格差を超えることに繋がります。

最初は、うまく行かず自信を無くしたり、落ち込んだりすることもあると思いますが、本番に向けての練習のつもりでたくさん失敗をしながらアウトプットスキルを磨いていきましょう!

 

情報格差を超える方法その2:興味のないものにも無理矢理触れる機会を設ける

自分が好きなことや興味のある分野を中心に情報収集してしまうのが大部分の就活生の行動だと思います。

しかしながら、興味の有無と実際の仕事のパフォーマンスの良し悪しは、必ずしも相関関係があるとは言えません。
働くことは、自分が得ることではなく、誰かに与えることです。興味がなくてもたまたま得意だったり、上手にできることや楽にこなせてしまうことほど、人は「向いている」という言葉を用います。

一方で、こんなことが過去になかったでしょうか?

自分の好きな人や仲良くなった人の影響で、それまで興味がなかったものやことに興味をもつようになった経験。

興味の有無というのは、自分の周囲にある情報量の差です。
情報を得る機会や量が少なければ、興味は湧きにくいですが、情報との距離が近くなったり、関心がある人から発せられると途端に興味を抱いたりするものです。

情報格差を超えて選択肢を増やすため、価値観を広げるためには、興味の有無に振り回されないことが重要です。

意識的に知らないもの、イメージのつかない業界や企業について知る機会を積極的に設けることに挑戦してみましょう。

 

情報格差を超える方法その3:地方の小さな尖った企業や活動に目を向ける

就活というのは、みんなが利用しやすい体系化された社会に出るための手段の1つにしか過ぎません。

言い方を変えれば、就活という手段にさえとらわれなければ、社会に出る手段は地方でも首都圏でも格差はそう大きくはないのです。

むしろ、大多数の人が就活をという手段を盲目的に選択しているので、それ以外の方法で社会に出ようとする絶対数が少ないため、競争率は低くなるのではないでしょうか?

みなさんも一度は、地方創生という言葉を耳にしたことありますよね。
実は、地方でもたくさんの新しい事業が生まれていたり、未経験でも大きなプロジェクトに関わる機会が数多く存在しています。

ただ、いわゆる就活や就職先を探すというキーワードで探してもたどり着くことができないだけなのです。
この場合は、企業への就職という形ではなく、プロジェクトに参加(応募)するという形式であることが多いので、地方創生インターンや実践型インターンシップなどのキーワードで検索してみると良いと思います。

このようなプロジェクトに参加をすることで、地方にいても高いレベルでのビジネス経験を得ることができ、地方だけではなく首都圏でも幅広く活躍しているビジネスパーソンや企業との繋がりを得ることができます。

つまり、地方にいるということが優位性になる貴重な場が存在しているのです。格差を超えるどころか逆転してしまうのがこの方法です。

 

地方就活生が情報格差に打ち勝つためのヘレンからのアドバイス
情報量や物理的な距離などさまざまな格差が地方学生には存在しています。
そこで重要なのは、柔軟性を持つこと。従来の一般的な就活、都心部と同じやり方の就活にこだわらず、広い視野で社会に出るということを捉える勇気を持つことが、格差を超えることに繋がるのではないかと思います。前例がなかったり、周りに同じ選択をしている人が少ないので、不安になることもあるかもしれませんが、同じ手段を選ぶということは、競争率が高い中で勝ち続けなければならないということを意味します。用意されている選択肢(就活)を選ぶのであれば、格差を超えるだけの情報を得て、経験を積むことが求められ、競争に勝つための精神力と時間や資金などの蓄えが必要です。一方で、格差の影響が少ない手段を選択するのであれば、自ら行動し、直接的に社会と接点を持ち、失敗も1つの経験と捉えながら、独自の進路を模索する意志が必要です。格差に直面している地方就活生に限らず、予めその選択肢が正解かどうか結果を知った上で選ぶことはできません。自分が選んだ道を正解にする努力と行動を積み重ねるだけである、ということをどうか忘れずに。

 

 

 

Helen(ヘレン)さん
キャリア・人事コンサルタント


1982年秋田県生まれ青森県育ち
理工系大学修士号取得後、ベンチャー企業に新卒で入社し、人事の立ち上げから採用・育成の責任者を務める。人材ビジネスにおいても営業統括として従事し、就活・人事のプロフェッショナルとして、2016年に独立。キャリアセミナーや人材育成が得意領域。
2022年より株式会社shabell 取締役COO就任。