アナウンサーになるには?面接官が試験で聞きたい本当のこととは

中倉隆道

前編に続き、現在フリーアナウンサーとしてご活躍中の中倉隆道さんへさらにインタビューをさせていただきました!

前編では、中倉さん自身の経験や現在の働き方を伺いました。
本編は、実際に面接官をされていた経験から言える「アナウンサー試験に合格するためのアドバイス」をズバリ教えていただきました!

アナウンサーを目指す方々にぜひ読んでいただきたい内容です。

面接官がアナウンサー試験で本当に聞きたいこととは

就活面接の風景

アナウンサー採用試験に合格をいただくにはどんなトレーニングが必要なのでしょうか?

中倉隆道さん:アナウンサーを目指す人は、話すトレーニングに加えて、自分らしさをいかに出すかというトレーニングも重要です。

どんな人でも「らしさ」はあります。それを表現できればアナウンサー試験の合格にぐっと近づけるのではないかと思います!

最近は、昔と比べてテレビ業界への入口が狭まりました。なんとなくアナウンサーになりたい人が合格をもらうのは難しくなってきていると思います。それに加えて、アナウンサーもキャラクターによって活躍の幅が広く、「個」の時代と言えます。面接官に対していかに自然体で自分らしさを話せるかの訓練をしたらいいのではないでしょうか。

 

アナウンサーを志望する人は、やはり養成所に通う人が多いですか?

中倉隆道さん:多いです。今は養成所自体たくさんあります。また、これだけインターネットやSNSで情報が行き交っている時代ですから、色んな人が情報を発信しており、対策もしやすくなりました。しかし、採用試験というものは期待値を測っているものです。対策をしているから、技術があるから絶対に採用されるわけではなく、これから先の成長に期待して採用されます。その期待値を面接官は「あなたらしさ」から見出しているんです。

 

試験合格のカギとなる「私らしさ」ってなんだろう…

アイディアが思いついた時

先ほど重要とおっしゃっていた「自分らしさ」は、どうやったら見つけられるのでしょうか。

中倉隆道さん:自分のこだわりを見つけることから考えてみたらどうでしょうか。

例えば、毎日朝起きたらすぐにうがいをするこだわりがある人は、なぜそれをするのか、どんな考えがあるのかを紐解くと、そこに「らしさ」が隠れていると思います。

また、「学生時代にどんなことをしてきましたか」というよくある質問に対する答えも、この「らしさ」につながるものだと思います。しかし、多くの学生たちは「何もやってこなかった、どうしよう」と頭を悩ませています。これは他人と比較して、どんなにすごいことをしたのかという問いではありません。あなたの中で大切にしてきたことは何か、という問いであり、そこから面接官が知りたいことは「あなたらしさ」なんです。

 

アナウンサーにもいろんな働き方がある

いざ試験を受ける際、受験戦略を立てるためのアドバイスをいただけないでしょうか?

中倉隆道さん:自分のやりたいこととそれぞれの放送局の特徴を掴んで、に合わせた自分のやりたいことを伝えられると良いですね。局ごとにステーションカラーというものがあります。例えば日テレは、スポーツ中継が多いのでスポーツ好きな人やアクティブな人が多い印象です。TBSは報道系に力を入れている、情報を的確に伝えられる人が多い印象があるとか。

 

地方局と中央局のアナウンサーにはどんな違いがありますか。

中倉隆道さん:地方局のアナウンサーは、アナウンサー業務のみならず記者業務、カメラを持って自分で撮影しながらリポートしたり、原稿を書いたりと様々な業務をこなします。

そこまでのマルチな働きは東京のキー局では経験できません。

地方局のアナウンサーとしてマルチにこなしていた人がフリーに転身して東京に来たりすると、こなせる業務が幅広くて役立つことが多いと思います。

今は全国各地のテレビ局がYouTubeなどを使って発信しています。なので、「伝える仕事がしたい」と本気で考えているならば、東京や大阪などの大都市に限らず全国のテレビ局を志望してみたら良いと思います。これだけSNSや独自メディアが発達している時代なら、テレビ局で働いた後のキャリア形成は何通りもあります。

 

主役ではないけど必要な存在、それが “アナウンサー”

柿ピーについてプレゼンする中倉隆道

最後に、中倉さんにとって“アナウンサー”とはなんですか。

中倉隆道さん:アナウンサーはあくまで脇役でしかないんです。主役はニュースの内容や映像などであり、僕らは決して主役ではないんです。だから、僕が柿ピーの話をする仕事も、主役は柿ピーなんです。主役を、正しく最適な形で、聞いている人に届ける。それが僕らアナウンサーの仕事なんです。

 

***

今回はフリーアナウンサーの中倉隆道さんにインタビューをしました。
取材をさせていただいた後、聞き手だったはずの私がなぜか話を沢山聞いていただいたような、達成感に近い感覚を抱きました。
後になって振り返ると、それは中倉さんの会話技術や放つ空気感によって、とてもリラックスしていろんなお話を伺えたからだと気がつきました。
知らず知らずのうちに、自分に自信を与えていただける。そんな力を持つ中倉隆道さんでした。

中倉さん自身のキャリアについて伺った記事はこちら!

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中倉隆道さん
なかくら りゅうどう|アナウンサー


TBSスパークル所属のフリーアナウンサー。中央大学大学院理工学研究科にて博士課程を修了後、2002年にNHK入局。アナウンサーとして、NHK各局やラジオなどで数々の番組や業務を経験し、2015年にNHKを退社してフリーアナウンサーに転身。柿ピー研究家・アニメ研究家・コミュニケーションコンサルタントとしても活動中。芸能界屈指の柿ピー好きとして知られ「マツコの知らない世界」「激レアさんを連れてきた。」などに柿ピー研究家として出演。

   
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