転職をする際に学歴フィルターは存在するの?人事のスペシャリストが徹底解説!

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就職活動・転職活動をする際に、一度は耳にする「学歴フィルター」という言葉がありますよね。学歴フィルターとは、学校名や偏差値によって、選考の基準が設けられるというものです。就職活動・転職活動をする際に、この学歴フィルターを気にした人も多いのではないでしょうか?

転職サイト「doda」によると学歴を採用条件の1つにしている企業は、全体の60%に及ぶと述べられています。(参照元:学歴は中途採用で求められる?−学歴と転職の関係−

そこで今回は人事のスペシャリスト“ヘレンさん”に、学歴フィルターについて徹底解説していただきます。

Helen(ヘレン)さん
キャリア・人事コンサルタント


1982年秋田県生まれ青森県育ち
理工系大学修士号取得後、ベンチャー企業に新卒で入社し、人事の立ち上げから採用・育成の責任者を務める。人材ビジネスにおいても営業統括として従事し、就活・人事のプロフェッショナルとして、2016年に独立。キャリアセミナーや人材育成が得意領域。
2022年より株式会社shabell 取締役COO就任。

転職と学歴フィルター

転職で学歴フィルターはほとんど関係ない

 

ー単刀直入にお聞きします。転職時に学歴フィルターは存在しますか?

ヘレン:転職で学歴フィルターはほぼありません。あえていうならば学歴フィルターという表現ではほぼゼロですが、面接官と同じ出身校ということで認知される場合はあるかもしれません。

 

第二新卒としての転職でも学歴フィルターはありませんか?

ヘレン:第二新卒としての転職では学歴フィルターはややあります。就業経験が少ないため、学歴が採用する人材の可能性を図る1つの指標となるためです。

ーそもそもなぜ学歴フィルターという言葉が存在するのでしょうか?

ヘレン:同じレベルの学歴層を採用することにより、教育の仕方が安定するからです。その採用方法から学歴フィルターという言葉が誕生したのだと考えられます。学歴や偏差値が近いと、必ずとは言い切りませんが学習の習慣も似てくるので、同じ教育で人材を育成することができやすくなります。

プロジェクト

転職時に重要視されることは4つ

ー学歴フィルターが無いのであれば、転職時にはなにが重要視されるのでしょうか?

ヘレン:転職時には大きく4つあるので、1つずつ解説します。

転職時に重要視されること ①実績


1つ目は実績です。転職するまでに在籍した企業でどんな成果を出したのかを語れるかどうかが大事です。中途採用は即戦力採用のため、企業は能力としての補填、強化をします。そのため、プロジェクトでの人数、役割、成長率など数字などの根拠を用いて、自分の貢献を語れることが大切です。

 

転職時に重要視されること ②ポータブルスキル


2つ目はポータブルスキルです。ポータブルスキルとはどんな環境でも活かせる汎用性の高いスキルです。どんな人とどういう成果を成し遂げる力があるのか、はじめましての人と短期間で求めているものを察知して成果を出すのかを人事は見ています。関わってきたプロジェクト、面接での対応でそのスキルを見ており、主体性、コミュニケーション力をアピールすると良いでしょう。

 

転職時に重要視されること ③自分の課題を認識する


3つ目は自分の課題を認識することです。企業に求められているものと自分の実力との乖離を認識し、どのようにその差を補うかを考えられる力が必要です。自分の課題を認識する方法として、自分の目標と成果を照らし合わせてみましょう。目標を達成できなかったならば、会社の環境を原因にするのではなく、目標を達成した人と自分を比較し、達成できなかった原因を見つけましょう。

 

転職時に重要視差されること ④目標を定める


4つ目は目標を定めることです。人生において前向きに自分のキャリアを考えられているかがポイントです。こういう経験をして、こういう能力を身につけて、こういうことをしていきたいというアウトプット思考であることをアピールしましょう。人事目線として、経験やスキルを能力に変えて、顧客や組織に還元するというものを見せていただきたいです。

 

以上4つが転職をする際に重要視される項目です。冒頭に記載したように転職では、学歴フィルターはほとんどありません。なぜ転職をしたいのかを自分の言葉で伝えられるようにしっかりと自己分析をすることが大切です。

学歴フィルター

業界・業種別:転職時に学歴フィルターが存在する可能性は?

転職時に学歴フィルターが存在する可能性が高い

・総合商社
・金融
・コンサルティング
・大手広告代理店

経験だけでなく、論理的思考力や課題解決能力などその人自身の地頭や素地の良さが求められる業界や業種においては、学歴フィルターが多少なりとも存在することがあります。また、認知度の高い企業や人気の業界・職種などは、応募者の絞り込みとして学歴を1つの指標にするケースも一部あります。

転職時に学歴フィルターが存在する可能性が低い

・飲食
・サービス業
・介護
・人材

経験値や人柄、コミュニケーション能力を重視する業界や職種は、学歴以上に過去の実績と面接での印象を中心に評価します。また介護業界やサービス業などは常に人手不足に悩んでいるため、学歴以上に意欲を重視する傾向があります。

***

いかがでしたでしょうか?新卒で働きたい企業があっても学歴フィルターにより、選考に臨めなかった人もいるのではないでしょうか?大手企業や人気企業は応募人数が多いため、学歴を一つの足切りにすることは避けられない場合もあるでしょう。しかしそれは新卒採用がポテンシャル採用、いわゆる将来の活躍にかけるためです。

しかし中途採用としての転職は、即戦力採用です。即戦力かどうかの判断は学歴ではなく、これまでのあなたの実績が判断材料になります。中途採用で学歴フィルターはありませんので、しっかりと自分の言葉で語れる実績を積んでキャリアアップをしましょう。

キャリアシェアサービス「shabell」では、多くの職種のプロや先輩に相談をすることができます。もちろん今回この記事で解説していただいた「ヘレンさん」にも相談可能です。転職前の準備、面接に臨む極意などなど、相談してみてはいかがでしょうか?

 

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