【元陸上自衛官】教育のプロである三好雄介さんが考える組織教育!

三好雄介

今回は、陸上自衛隊の自衛官として働かれた後、その経験を活かしパワハラ対策の専門家として活動されているみよし教官こと、三好雄介さんに取材させていただきました。

自衛隊に入隊したい人にも、新たなキャリアを考えている人にもぜひ読んでいただきたい記事となりました。

 

正しいことをはっきりといえる最高の職場

三好雄介ー三好さんの幼少期の夢はどんなものでしたか?

三好雄介さん:小学校の卒業文集には、水泳選手になると書いてありました。ですが別にそんなになりたかったわけじゃないです。夢を書かなきゃいけなくて、当時水泳をやっていたので書いたという理由なんです。

なので、僕は夢という夢はなかったですね。ただとりあえず毎日一生懸命遊ぶのが大好きだったかな。

 

自衛官になりたいと思ったきっかけを教えてください。

三好雄介さん:大学での学びがきっかけですね。自分のメンタルを強くしたかったのと、生きていくうえで必要だと思い、心理学を専攻してました。そこで犯罪心理学に興味を持って警察官になりたいという夢を持ちました。

ですが、大学3年の時に付き合っていた彼女との間に子どもができて、中退して働こうと思い就職先を探していました。父が自衛隊で自衛官として働いていて、「自衛官だったら学歴に左右されない」とアドバイスをもらい、自衛官になることを決めたんです。結果的に、大学も働きながらそのまま続けられたんですが、警察と自衛隊は似たようなものだと思っていたので後悔は無かったです。ですが、入隊の理由はあまりかっこよくはないですよね(笑)

 

三好さんにとって自衛隊は、どんな職場でしたか?

三好雄介さん:正しいことははっきり正しいと言える職場」に就職したかったんです。その面でいうと、自衛隊は実力主義なところもあって、頑張ったら頑張った分だけ評価されますし、自分にとても合っていたと思います。

上から押さえつけられることもありましたが、それも全体で俯瞰して見ると正しいことだったりもするので、特に大きなギャップを抱くこともなく、最高の職場だと感じていました。

あとは、「」が特に魅力でしたね。自衛隊の人たちは基本的に約束や時間をきっちり守ります。僕が自衛隊を辞めてしばらく経ちますが、世の中の人は約束や時間、契約だったりをあまり守らないことも実感しました。そういった違いを感じて、自衛隊にはしっかりした人たちが多かったと思っています。

 

具体的にはどんな業務をされていたんでしょうか?

三好雄介さん:自衛隊にも広報という仕事があって、入隊希望者に説明をしたり、自衛隊のイベントに行ったりするんですが、僕はその広報を6年ぐらいやっていました。色々な企業さんにもイベントで関わる機会があり、自衛隊という閉鎖された空間だけじゃなく、幅広い経験ができたと思っています。他にもいろんな高校を訪問したり、駅でビラを配ったりもしていました。 

 

自衛官を経て感じた社会で大切な価値観

艦艇の前で子どもと写真を撮る三好雄介

入隊から除隊までの経緯を教えてください。

三好雄介さん:僕は一番下の階級から入ったんですが、上に上がっていくためには試験を受けて合格して、教育機関に行って、半年間勉強して部下を持つ必要がありました。僕はその試験で成績が日本一だったんです(笑)
そんな風に結果もついてきたので、自衛隊として一生懸命頑張ろうかなと思い、幹部に昇任することを目指して勉強していました。ですが、幹部になっても僕は一番下からスタートしているので、年齢と制度的に一定の階級以上には昇級できなかったんです。

努力の問題ではなく、上まで昇級することが制度的に無理ならやる意味がないなと思ってしまい、27歳の頃に辞める決断をしました。「自分で生きる力を高めたいので、営業職で経験がしたい」と相談したら、上司からPKO(Peace Keeping Operation:国際平和維持活動)に行ってみないかと言われました。PKOは、選抜された人しか行けない場所です。実際にそこで学んだ後もとても良い経験ができたと思っています。
その後は、教育隊に連れて行ってもらいました。教育隊が終わったら辞めようと思っていたら、そんなに営業がやりたいんだったら自衛隊にも営業があるよと言われて、名古屋から地元の愛媛に帰りました。
そこで広報を6年ほど経験しましたが気持ちは変わらず、改めて上司に相談したら許可を頂けたので、自衛隊を除隊することにしました。

 

ーPKOでの経験を教えてください。

三好雄介さん:キツかったですね。仕事内容も、家族とに会えないことも、とにかく色々なストレスがありました(笑)。
ハイチの復興を目的として、壊れた小学校を建て直したり、道路や橋や井戸を作ってあげるために行くんですね。ですが、僕は戦闘部隊だったので「警備」という立ち位置で行きました。

実弾を何十発も持って、一緒に行った復興部隊の警備をすることが僕の役割だったので、身の危険を感じることによる精神的ストレスはとても大きかったです。何があっても大丈夫だろうと思えるぐらいに訓練を積んで臨みましたが、多分心はストレスを感じていたと思います。

 

自衛隊を務められた期間の中で、挫折はありましたか?

三好雄介さん:僕は怪我で欠席した教育以外は全部主席で出ているので、正直言うと挫折はほとんどありませんでした。ですが、キツかった経験はたくさんしています。

例えば、足をガクガクさせながら「全然余裕です。まだまだ走れます」と見栄を張ったり、PKOでハイチに半年派遣されていたとき、4ヶ月目くらいからみんなストレスが溜まって、よく殴り合いの喧嘩が起こりしました。キツい環境だったので、人間にも我慢できないことがあるんだと身を持って学びましたね。

 

自衛隊を除隊された後は、一般企業に就職されたのでしょうか。

三好雄介さん:将来的には独立も考えていましたが、知り合いの飲食店の社長に頼み込んで、営業や生産管理、マーケティングをさせてもらいました。よく「飲食店なら必要なことをすべて学べる」というじゃないですか。人・物・金の全てを管理しないといけないので。

その社長さんはすごくやり手の方だったので、小人数から始まったお店だったんですが、開店から8ヶ月で年商1億円以上を叩き出しました。1年間の間に東京駅や品川駅に出店できたり、渋谷スクランブルスクエアやヒカリエにも1ヶ月ほどお店を出せたり、羽田空港とも取引ができるようになっていったんです。

 

飲食店経営の中で得た、一番大きかった経験は何でしたか?

三好雄介さん:自衛隊で教えてもらった考えが、民間の企業でも通用することがわかったのは大きかったです。自衛隊だから特別というわけではなくて、人が集まって仕事をして、何か一つのことをやり遂げて目標に向かうこと、そこで失敗したり、目標以上のことができたりするのは、お金が絡む・絡まないに関係無く一緒なんだ、という実感がありました。

あとは、世の中には割と適当な人がいっぱいいるんだなとも思いました(笑)。自衛隊にいると、自衛官というだけでお互いを一瞬で信頼するんです。「時間を守る」=「約束を守る」=「命をかける」ことに繋がるので。「1秒遅れたら1000人死ぬと思え」という世界だったので、みんな約束を当たり前のように守るし、守れなかったら事前に必ず連絡するというのが当たり前にできます。なので、口約束や、契約を結ばずに進む仕事を見ていると、思っていたより綺麗な社会ではなくて、自分さえよければ良いという考えがあるのかな、と少し感じましたね。この感覚は自衛隊ではありえないので、民間と自衛隊を比べたときの大きな差はそこかなと思います。

 

パワハラを指導に変える組織改革

えひめ中小企業研究所

「パワハラ専門家」として活動を始めようと思ったきっかけを教えてください。

三好雄介さん:僕は今までのキャリアを通して、”“に関わる仕事に人生を捧げてきました。

大学では心理学を専攻し、自衛隊では教育・広報・募集・営業・販売を経験。『一番下の階級』から最短で昇級し続け、現場とリーダーとのギャップを改善する方法を確立していきました。自分が歩んできたものを活かすには、と考えた時、「人の教育」に力を入れたいと思ったんです。会社を大きくするのも、潰すのも人なので。そこで「正しい指導」と「パワハラ」という2軸で、教育・リーダーシップ論・モチベーション管理など“人”に焦点を当てたコンサルタントを展開していこうと思ったのがきっかけです。

実際にやりたいことは会社の社員教育だったり、人事評価制度、採用の制度を見直すことや、人間関係を見直す必要を教えることですね。厚生労働省がパワハラ防止措置を今年4月から中小企業でも義務化すると発表したので、これをきっかけにアドバイスをちょっとずつしていけたらと思っています。

 

具体的にはどんなアドバイスなどを行っているのでしょうか。

三好雄介さん:仕事内容として僕が行っているのは「パワハラ」の見解の違いを解いてあげることです。
「コミュニケーションをとることが大事で、相手がパワハラじゃないと思えばパワハラじゃないよ」と、みんなよく言うんですが、実際そんなことはありません。相手がパワハラだと思わなくてもパワハラになることもあるし、パワハラだと思ってもしっかりとした指導だったらパワハラにならないと、厚生労働省が見解を公表しています。

一方でどこかのパワハラ講師が言っている、「相手がパワハラって思ったらパワハラです!」という根拠のない見解を信じている人たちがたくさん居るのも事実です。
大切なことは、「この環境と勤務体制、この人員の割り振りだから駄目だったんじゃないか」というように組織に原因を持っていくことです。あの人が人間的に駄目なんです未熟なんですと言うのは、ただその本人を責めるだけになってしまいますよね。それは何の解決にもなりません。

企業は、人に原因を求めがちですが、まずはそれをフォローする仕組み、失敗が起きないような仕組みをつくれる組織が大きく成長して行けるんだと思います。

 

三好さんの中で思い描いている将来のビジョンを教えてください!

三好雄介さん:実はこのパワハラの事業は、規模がどこまで広がるかという設計図が全部自分の中でできています。人をどう雇って教育をして、どうやって全国展開をしていこうというのが、もうイメージ出来ているんですよね。

僕の代わりにカウンセリングや講師をやってくれる人たちも成長できるようなビジネスモデルができているので、あと事業の主軸にできるよう拡大していくだけです。ただ、根底にあるのは組織変革っていうのは変わっていません。

 

shabellで出会えた本気の質問

腕を組む三好雄介

ー三好さんは実際に相談があったと思うのですが、どんな相談を受けましたか?

三好雄介さん:自衛隊についての、かなり具体的な内容でした。自衛隊に何年か所属していた人でも、答えられないような質問もありましたね。僕は、ただ現場にいただけじゃなくて、広報だったりイベントだったりと幅広く経験していたので、答えることができました。

自衛隊には「任期制」というのものがあるので、元自衛官を名乗る人は結構多いんですよね。
正直、数年で辞めた隊員は自衛隊のことを10分の1もわかっていないんです。僕はいろんな経験をさせていただいたので、自衛隊を全体で見たときにどうなっているかみたいなこともお伝えできたと思います。

人によると思いますが、専門家に聞けるというのは良い意味でも悪い意味でも、本当のことを聞くことができるので、プロの生の意見を聞けるチャンスがあるのは本当に貴重ですよね。
ただ自衛隊に関しては、国家機密に関わることもあるので言える範囲にはなりますが、できるだけ誠意を持ってお答えさせていただきます。 

 

実際にshabellを使ってみて、キャリア相談についてどのように感じましたか?

三好雄介さん:shabellに登録をした理由の一つは、相談の質を上げたかったからなんです。ツイッターでフォロワーさんからの質問によく答えていたんですが、最近ある理由でそれを辞めました。

質問の質があまりにも低いと感じたんです。たいして調べもせずに、「陸上自衛隊ってどこにあるんですか」という質問が来たり。「そんな基本的なことは、お近くの地方協力本部にパンフレットくださいって言ったらもらえるからそれを読んでから質問してください」と伝えると、「何で聞いてるのに教えてくれないんですか」って怒られてしまいました(笑)。
もう少ししっかりと調べて、レベルの高い質問をしてくれたほうが、真摯に向き合いやすいのにな、と思うことが多くなっていました。

一方で、shabellから来る相談はとても質が高いです。有料なことが理由の一つだとは思いますが、自分の聞きたいことややりたいこと、自分の目標、それについての今後の疑問をしっかり要点をまとめて投げかけてくれます。

質問の内容も本当に真剣に考えているからこそ抱く疑問ばっかりだったので、正直答えがいがありました。
そして、僕を育ててくれた自衛隊にも、少しは恩返しになっているのかなと感じることができました。

 

相談者になりうる若者や、自衛隊になることを志している人たちにメッセージを頂けますか?

三好雄介さん:若い子に対して思うのが、情報がありすぎて何を信用していいかをわかってないうえに、道が増えすぎて将来について迷ってしまうことです。

でも、なんだかんだ自分に縁やきっかけがあることが、結果的にうまくいく要素だったりします。自分がやりたいことと違っていても、縁やきっかけを大事にしていると、思ってもない良い方向に行くことがあります。だから、道に迷ったらそっちを選んでみても、悪いことにはならないっていうのを頭の片隅に置いてほしいなと思います。

***

今回は、元自衛官として活躍されたのち、飲食店経営やえひめ中小企業研究所設立、パワハラ対策の専門家としても活動されている三好雄介さんに取材させていただきました。

三好さんは陸上自衛隊に一番下の階級で入隊されてから陸曹昇任課程を首席で卒業され、常に最短で昇級し続け、1等陸曹で自衛隊を除隊されています。PKO活動でハイチに復興支援に行ったり、広報官として自衛隊という組織を裏側から幅広く見ていられた方でもあります。

また、今年の4月から中小企業でもパワハラの対策措置が義務化されました(今までは努力義務)。この変更によって、今まで以上に世の中の人は「パワハラ」を意識することになると思います。

「パワハラは指導にもなる」とおっしゃる三好さん。くれぐれもお間違えなきようご注意いただきたいことは、叱るということをうまく指導に取り入れるということです。怒ってしまうこと、腹が立ってしまうことは、人間なので完璧にコントロールすることは不可能に近いかもしれません。なので、一方的にミスした人を責め立てるのではなく組織内で叱る人、フォローする人、褒める人などをうまく配置し、それぞれが自分の役割を理解することで組織全体で叱ることをうまく教育に繋げられるかもしれません。

自衛官を志望する人、経験談を聞いてみたい人はもちろん、中小企業でパワハラ対策や、組織改革に悩んでいる方にとっても三好さんは最高のプロフェッショナルです。夢を追う方の力になれたら幸いです。

三好雄介さん
みよし ゆうすけ|経営者 元自衛官


1984年生まれ。愛媛県出身。”人”に焦点をあてたコンサルティングの専門家。認定心理士。陸上自衛隊に入隊し、教育担当、災害派遣、PKO派遣、広報、採用、募集を経験し、退職。その後、飲食店にて店長兼営業部長として開店からわずか8か月で1億円の売り上げを出す。2021年えひめ中小企業研究所を創設し、代表に就任。パワハラ対策の専門家として、正しいパワハラの理解と厳しい指導の活用方法を提案する

えひめ中小企業研究所:https://www.eelabo.net/

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記事を掲載した日

2022/03/01

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