社会人で敬語が使えないのはタブー!?抑えておきたい敬語

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最近の若者は上手に敬語を使うことができない。
社会人になって、そんな印象をもったり、もたれたりしたことはありませんか?

実際に、文化庁が行った「国語に関する世論調査」では、「言葉や言葉の使い方について社会全般で課題があると思うか」という質問に対して、「あると思う」と回答した人が、約85%でした。さらに、あると思う」と回答した人のうち43%が「敬語の乱れ」に課題があると回答しています。

 

実際に皆さんは正しい敬語をきちんと認識して使えているのでしょうか?

 

シャベリン

間違っている敬語の例をみてみましょう!

 

上司に対して「了解です」と使うシーン。実際に使っている人もいれば、それを使っている人を見かけたことがある人もいると思います。

後ほど詳しく解説しますが、正しくは「承知致しました」「かしこまりました」です。

 

おそらく無意識のうちに間違った敬語を使っている社会人の方もたくさんいます。

最近はそれをいちいち指摘していると煙たがられてしまったり、「〇〇ハラ」とも言われかねないので、間違いを指摘してくれる人も減ってしまっているのかもしれません。

 

なかなか自分の言葉遣いに気づくことがない今だからこそ、この記事を読んで社会人として正しい敬語を学んでいきましょう!

 

 

社会人が間違った敬語を使うことのリスク

 

シャベリン

了解です!

 

一見、元気の良い丁寧な返事のようにも聞こえますが、これは間違った敬語です。「了解」と言う言葉は「事情を理解し認めること」と言う意味で、目上の人が目下の人に許可を与える時に使います。社会人としてこれを知らずに使うと、「非常識だ」と思われるかもしれません。

 

ビジネスの場では、信頼感が何よりも大事とされます。

例えば、あなたの前に2人のセールスマンがいたとして、同じ条件で同じ商品をセールスしてきた場合、あなたはきっとそのセールスマンの印象や信頼感などでどちらかを選ぶでしょう。
現に「商品やサービス云々の前に、店員やセールスの人が嫌だったから買わなかった」という経験をしたことがある人もきっと少なくはないのではないでしょうか。こういったことからも、社会人にとって「信頼感」が大事ということは実感することができます。

 

では、ビジネスシーンでの信頼感はどのようにして得ることができるのでしょうか?

ビジネスでの信頼感の勝ち取り方は、「言葉遣い(敬語)を正すこと」ではないでしょうか。社会人にとって「敬語」というものは非常に大切なものです。商談や、会議、職場でのコミュニケーション、取引先への連絡も、日常の連絡を行う電子メールでのやりとりや書類作成など、相手に対して何かを伝える際には必ず「敬語」を用います。

つまり、あなたの会社が仕事を獲得していけるか、社会で生き残っていけるか、事業を展開していけるかには、社員1人1人の言葉遣いが大きく影響してくるのではないでしょうか。

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そもそも敬語とは?

尊敬語、謙譲語、丁寧語の意味と使い方

 

尊敬語

尊敬語は、目上の人に使います。相手の行動に敬意を示したいときに使う言葉です。


上司(社内での会話)や社外の人に使います。

①「お」や「ご」をつけたもの (例)お帰りになる

②「召し上がる」「おっしゃる」という特別な形

③「られる」をつけたもの (例)待たれる

謙譲語と勘違いされやすいですが、尊敬語は相手が主語になる行動や状態に敬意を表すことです。

 

謙譲語

尊敬語と同じく目上の人に使い、自分の行動に対してへりくだる時に使う言葉です。

自分を相手よりも下に置くことで尊敬の意を表します。

・見る→拝見する

・会う→お目にかかる

・行く→伺う、参る

というような言葉で表現されます。

 

丁寧語

相手を選ばず、聞き手に敬意を示したいときに使います。
普通語を丁寧に表現する言葉です。

主に「です」や「ます」「ございます」をつけた言葉になります。

丁寧語は普段の会話でも使っているので、馴染みのある言葉ですね。

 

ビジネスでは、「尊敬語」「謙譲語」といった敬語を主に使うことが多いです。「丁寧語」は目上の人やお客様に対して、失礼に当たることもあります。

なので、しっかりと「尊敬語」「謙譲語」の違いを理解して、使い分けができるようにしていきましょう。

 

敬語の使い方の例

 

先程紹介した3つの敬語の具体例を紹介していきます。

〈来る〉
尊敬語・・・おいでになる、いらっしゃる、お越しになる
謙譲語・・・うかがう、参る
丁寧語・・・来ます
〈食べる〉
尊敬語・・・お食べになる、召し上がる
謙譲語・・・頂戴する、頂く
丁寧語・・・食べます
〈言う〉
尊敬語・・・おっしゃる
謙譲語・・・申し上げる、申す
丁寧語・・・言います

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よくある敬語の間違い①尊敬語と謙譲語の間違い

 

本来は謙譲語を使わないといけない場面で、尊敬語を使ってしまう間違いはよく起きています。


社外の人からプレゼントなどをいただいた際に、

例:ありがとうございます。お受け取りします! ×
  ありがとうございます。頂戴します。 ○

この場合、「お受け取りします」は「受け取る」の尊敬語で、尊敬語は相手の行動に対して使う敬意表現です。この例文中で「受け取る」という行動を起こすのは自分なので、この場合は「受け取る」の謙譲語である「頂戴する」を使います。

 

他にも社外の人と話すときは、自分の会社の人間は上司であっても敬語は使わないというのは覚えておくべきマナーの一つです。
そんなときに、社外の人に対して尊敬語と謙譲語を混同してしまうケースがあります。

例:部長の佐藤は会社にいらっしゃいます。 ×
      部長の佐藤は会社におります。 ○

この場合、間違えている例文は「いらっしゃる」という「いる」の尊敬語を使っています。

いらっしゃるという言葉の敬意対象は部長の佐藤となっており、本来使うはずではない社内の人間に敬語を使っていることになるので、この文章は間違っているということになります。


よくある敬語の間違い②二重敬語


二重敬語とは、一つの単語や動作に対して敬語を重ねて使うこと
をいいます。

 

・ご覧になられる
「ご」+「〇〇られる」は、どちらも尊敬語なので、敬意表現が重複しています。
正しくは、「ご覧になる」です。
・伺わせていただきます
「謙譲語」+「いただきます」は、どちらも謙譲語なので、敬意表現が重複しています。
正しくは、「伺います」です。
・部長様
「役職」+「様」は丁寧な言い方に見えますが、これはどちらも敬意を表現する呼び方になるので、二重敬語になります。
正しくは、「〇〇部長」です。

 

〈応用編〉三重敬語

三重敬語は、3つ以上の敬意表現が重なっていることです。

・お召し上がりになられますか
「お」+「召し上がる」+「られる」の3つの敬意表現が使われています。
正しくは、「召し上がりますか」です。

丁寧に伝えようとすることで、気が付かないうちに三重敬語を使ってしまうと、相手によっては良くない印象を持たれかねないので、正しい敬語の使い方を学ぶ必要があります。


よくある敬語の間違い③言い換え


相手の会社を立てる表現として、「御社」「貴社」は抑えておきましょう。

使い分けとしては、口頭で使うときには「御社」を、

文章やメールなどの書面の場合は「貴社」を使いましょう。

 

なお、自分の会社をへりくだって表現をする場合は「弊社」と言います。

どちらも基本的な表現なので、覚えておきましょう。

 

また、「ほう」「かたち」「なります」という言葉を使っている人も要注意です。

「こちらのほうでいかがですか?」「こちらでお預かりするかたちになります」「書類になります」というのは丁寧な言葉のようには聞こえますが、敬語として適切ではありません。

 

正しくは、「こちらでよろしいでしょうか」「こちらでお預かりします」「書類でございます」です。

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まとめ

 

ここまで敬語について紹介してきました。

とはいえ、敬語を完璧に使えている人は少ないと思います。

 

まず意識してほしいことは、社会人にとって敬語を使う場面はたくさんあるということです。
社外の人や先輩、上司には敬語を使いますし、同僚にも基本的には丁寧語を使います。
したがって、敬語を使う機会や練習をするチャンスはたくさんあります。

正しくない敬語を使うことが、絶対にやってはいけないNG行為という訳ではありません。
しかし、正しい敬語を使える社会人になることは、きっとあなたの魅力をより一層引き上げる武器になります。

敬語を正しく身につけ、正しく使うこと
それは、あなたが気づかないようなところで、あなた自身に大きな利益をもたらしてくれるかもしれません。